群青の月
気配であたしが顔を上げた事がわかったのか、冬夜が少しだけ腕の力を緩めた。


彼はあたしの体を抱き竦めるように腕の中に閉じ込めたまま、そっと顔を覗き込んで来る。


そして、目が合った瞬間から、冬夜はあたしの瞳を真っ直ぐ見つめた。


少しだけ切なげで、だけど真剣な表情に縋り付いてしまいたくなる。


それなのに、こんな時でも頭の片隅に残った理性が邪魔をして…


抱えた疑問の答えを知るまでは、そんな事は出来ないって思った。


あたしの気持ちを察したのか、冬夜が困ったように眉を寄せながら微かに笑みを浮かべた。


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