群青の月
「もう、いいか……」


迷いを浮かべた表情が、あたしの瞳を真っ直ぐ見つめている。


「例え、受け入れて貰えなくてもいい……かな」


呟きながら天井を見つめた冬夜は、息を小さく吐いた。


まだ戸惑いを拭い切れないような顔をしている彼が、何かを決意したようにも見える。


冬夜はあたしに視線を戻してからまた小さく笑うと、目を閉じてゆっくりと深呼吸をした。


程なくして開いた瞳が、再びあたしの瞳を真っ直ぐ見つめて来る。


眉を寄せて微笑んだ冬夜は、意を決したように真剣な表情になって口を開いた。


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