群青の月
◆Side‥冬夜
【Side‥冬夜】
気まずさを抱きながら二人で部屋まで戻ってリビングのソファーに腰掛けたのは、まだほんの数分前の事…。
二つのグラスに注いだ水には、二人とも口を付けていなかった。
「喉、渇いただろ?飲めよ」
ぎこちなくならないように、出来るだけの笑顔を見せる。
柚葉は俺と目を合わせようとはしなかったけど、グラスに手を伸ばして口を付けた。
あれだけ泣いたのだから、喉が渇くのは当たり前の事だ。
一度飲み始めたら水分への欲求が止まらなくなったのか、あっという間に柚葉のグラスが空になってしまった。