群青の月
「お前を苦しめてるのは何だよ……」


息を小さく吐いた冬夜は、あたしなんかよりもずっと苦しそうに見えた。


そんな表情をされてしまったら、全力で拒絶する事なんて出来なくて…


「あたしは……汚いの……」


吐き捨てるように呟いた後、冬夜の視線から逃げるように目を伏せた。


「……っ!」


体を売って生きて来た事を、今程後悔した事は無い。


だけど…


どんなに後悔したって過去は変えられないし、汚れた体を綺麗にする術も無い。


だからきっと、独(ヒト)りに戻る方がいいんだ…。


< 533 / 1,000 >

この作品をシェア

pagetop