群青の月
その後も、言葉にするのが嫌になるくらい散々だった。


目玉焼き用の卵をフライパンに落とす時は、手が震えて殻ごと調理しそうになった。


その上、食パンを焼いているのをすっかり忘れていて、炭のように真っ黒にしてしまった。


手伝いに来たはずだった柚葉も、動揺し過ぎて戦力にならないのはもちろん、俺の心を益々緊張させる始末…。


たかが朝食を作るのにこんなにも悪戦苦闘したのは、たぶん初めて自炊をした時以来だったと思う。


それでも、何とか朝食の用意は出来たけど…


その頃には、俺はグッタリとしていた。


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