群青の月
あたしの手を包んでくれる、この優しい手だけは信じたいって思うんだ…。


不確かな未来をリアルに描く事は出来ないけど、目の前にあるこの手なら今だって見える。


だから…


例えほんの少しでも、自分の過去を話そうって思った。


「話したい事って……」


そこまで告げてから深呼吸を一つして、震えそうになる声を再び絞り出す。


「過去の事……なんだけど……」


小さな声なのにやけに耳に響いた言葉が、あたしの不安を更に大きくする。


不安に駆られたせいで、ほんの少しだけ手が震えていた。


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