群青の月
「あの人が酒浸りになってからは、それまでよりももっと悲惨な生活になったよ……」


眉をしかめた柚葉が、何かを堪えるように唇を噛み締める。


ここまで聞いただけでも酷い内容で、胸が痛くて堪らないのに…


きっと、この先はもっと悲惨な話ばかりなんだろう…。


柚葉は戸惑いを見せながらも、続きを話そうとしているのがわかった。


だけど…


柚葉がこれから話すのは、俺の予想を遥かに越える程の酷い内容なんだって事を、この時の俺はまだわかっていなかった。


俺は、本当に何もわかっていなかったんだ…。


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