群青の月
◇Side‥柚葉
【Side‥柚葉】
心臓の音が、頭まで響くように大きく鳴っている。
正直に言うと、あたしの過去を冬夜に話すと決めた時には、全てを曝け出す覚悟はまだ出来ていなかったけど…
話しているうちに、母に売られた事まで告(イ)ってしまっていた。
何も言わない冬夜は、一体何を考えているんだろう…。
薄汚い自分(アタシ)に、やっぱり幻滅しているのかもしれない。
あたしを好きになった事を、言葉が出ないくらいに後悔しているのかもしれない。
だけど…
ここまで話してしまったのなら、もう全てを曝け出したって同じだって思った。