群青の月
お金に困った母が借金をした事を知ったのは、あたしが母への反抗を始めた1ヶ月後の事だった。


そのたった1ヶ月間で、母はいかにも怪しげな金融機関から既に数十万円の借金をしていた。


その保証人が自分(アタシ)になっていた事を知ったのも、その時だった。


怒鳴り散らす男達に全身が強張るのを感じながら、とりあえず手元にあった現金を全て渡して、残額はすぐに返す事を約束した。


男達は一部でもお金を回収出来た事で納得したのか、数日後にまた来る事を告げて立ち去った。


その直後、あたしは全身の力が抜けていくのを感じた。


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