群青の月
「最初はヤらなくてもお金をくれるアンタに、不信感を抱いたりもしたけど……。どうせならとことん利用してやろう、って思った」


柚葉はそう言いながらも、今は罪悪感を抱いているんだろう…。


「だって、あたしにとっては好都合だったから……」


苦しげに唇を噛み締めた彼女が、その事を後悔しているんだって伝わって来る。


柚葉も、金銭の契約を交わした事を後悔していた俺と、いつからか同じ気持ちを抱いていたのかもしれない。


都合が良過ぎるけど、そうであって欲しいと願う自分勝手な気持ちが、俺にそんな事を考えさせた。


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