群青の月
「でも……もう、手遅れだった……。きっと自分で思ってた以上に、微温湯に浸かり過ぎてたんだろうね……」
柚葉は、遠くを見つめるように少しだけ視線を上げた。
「ここを出て行ってから、どうしても体を売る事が出来なくて……。何日か経ってからやっと決心して、いつもみたいに声を掛けて来た男と……」
空気に混じるように消えていく彼女の声を聞きながら、胸の奥がズキリと痛んだ。
それは柚葉が体を売った事じゃなくて、その時の彼女の気持ちを思って痛んだも同然だった。
それくらい、柚葉は傷付いた顔をしていたんだ…。
柚葉は、遠くを見つめるように少しだけ視線を上げた。
「ここを出て行ってから、どうしても体を売る事が出来なくて……。何日か経ってからやっと決心して、いつもみたいに声を掛けて来た男と……」
空気に混じるように消えていく彼女の声を聞きながら、胸の奥がズキリと痛んだ。
それは柚葉が体を売った事じゃなくて、その時の彼女の気持ちを思って痛んだも同然だった。
それくらい、柚葉は傷付いた顔をしていたんだ…。