群青の月
柚葉は息を小さく吐いてから、再び口を開いた。


「初めての時よりも気持ち悪くて……。男がいなくなった後、痛いくらい体を洗って……。その時、どうしてだか泣きたくなった……」


泣きそうな顔の彼女の両手に力がこもり、繋いだ手が震えていた。


「それからの事はよく覚えてない……。意識は朦朧としてたんだけど、タバコがない事に気付いて、たまたま見付けたコンビニに入った」


朦朧としながら、辿り着いたコンビニ。


そこで、俺達は再会した。


そして…


あの時、目が合った柚葉は、今にもこの世から消えてしまいそうだった。


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