群青の月
慣れない事を話すのは、思っていたよりもずっと緊張する。


それでも…


冬夜とこんな風に話すのは最初で最後かもしれないって思うと、不思議と話を続ける事が出来た。


ただ、普段は口数の少ないあたしにとって、今こうして話しているのは何年分もの言葉のように思えて…


ほんの少しだけ、息苦しさにも似たものを感じていた。


「でも……あたしはあんな風に優しくされた事なんてなかったから、どうすればいいのかわからなくて……。そのせいで、冬夜に優しくされる度に汚れた自分が益々嫌になっていって、ずっとイライラしてた……」


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