群青の月
「何が食べたいのか、よくわかんないだけ……」


「何だよ。やっぱり、優柔不断なんじゃねぇか」


呆れたように苦笑した冬夜に、何だかムッとしてしまう。


「仕方ないでしょ。ファミレスなんて、何年振りに来たのかもわかんないくらい久しぶりなんだから」


小さな苛立ちが芽生えたあたしは、つい今までに増してきつい口調で言い返してしまった。


「は……?」


目を小さく見開いた冬夜が、怪訝そうな表情で首を傾げる。


「……いや、ただのファミレスだぞ?いくら何でも、たまには来るだろ?」


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