群青の月
「え……?彼女……?」


さっきまで戸惑いを浮かべていた柚葉の表情が、急にキョトンとしたものに変わった。


それには、俺の方が面食らってしまう。


だって…


そんな顔をしたって事は、要するに“俺と付き合う気が無かった”と言う事だと思うから…。


すっかり柚葉と付き合うつもりだった俺としては、あまりにも大きな衝撃だった。


「お前は、俺と付き合う気はなかったのかよ……」


「そっ、そうじゃなくてっ……!」


思わず大きなため息をついて項垂(ウナダ)れると、柚葉が慌てて言葉を被せて来た。


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