群青の月
「だ、だって、普通は考えないでしょ!?体売ってた女を彼女にしようなんて!」


「は……?」


「だっ、だから!付き合うとか、全然考えてなかったし……」


「俺は、“普通に”付き合うつもりだったんだけど」


ショックを通り越して呆れてしまった俺は、わざと“普通に”を強調した。


「え……?」


「……むしろ俺としては、さっき柚葉が俺の手を取った時点で、付き合いが始まったと思ってたくらいだけど?」


不思議そうに目を見開いていた柚葉は、戸惑っているのがハッキリとわかるくらいに驚いた顔をした。


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