群青の月
何だか、まるで子供みたいだって思う。


眉を寄せながら漏れた笑みを浮かべたまま、そんな柚葉を見下ろす。


「じゃあ、訊くけどさ……」


それから彼女の顔を覗き込んで、笑顔で続きを紡いだ。


「俺は柚葉に彼女になって欲しいんだけど、柚葉は嫌?」


優しく訊くと、柚葉の視線が左右に泳いだ。


その理由を察した俺は、彼女を見つめたまま口を開く。


「さっきと同じように、余計な事は考えるなよ?ただ、質問の答えだけを考えてくれ」


諭すように告げると、柚葉は唇をキュッと噛み締めた。


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