群青の月
「……ないよ。最後に来たのは、小学生くらいの時だったかもね。てか、その時が最初で最後だったような気もするし」


冬夜を見ながら淡々と言葉を並べて、またメニューに視線を落とす。


「じゃあ、食べたいと思った物は全部頼め!」


正直、その事について詮索されるのかと思っていたけど、冬夜はただそう言ってニッと笑った後、テーブルのベルを鳴らして店員を呼んだ。


「ご注文ですか?」


「うん。俺は、和風ハンバーグのライスセット。柚葉は?」


冬夜は自分の選んだメニューを注文をしてから、あたしに笑顔を向けた。


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