群青の月
バスルームでお風呂の支度をしていると、玄関でガチャガチャと音が鳴った。


「ただいま」


脱衣所から顔を出したあたしに、冬夜が柔らかい笑顔を向ける。


「おかえり」


小さく笑って返すと、彼は幸せそうに目を細めた。


「風呂?」


「あ、うん。冬夜が帰って来たら、すぐ入れるようにって思ったんだけど……。今スイッチ入れたばっかりだし、まだ時間が掛かると思う」


「別にいいよ。いつもは、こんなに早く帰って来る事なんかないんだしさ」


冬夜は、あたしの言いたい事を汲み取って笑った。


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