群青の月
「だから、まだ決まってないって言ったじゃん」


「大体は決まってるんだろ?どれで悩んでるんだよ?」


あたしがため息混じりに眉を寄せると、冬夜はまるで子供をあやすかのようにニッコリと笑った。


「カルボナーラと、ミックスピザ……。後はチーズハンバーグ、とか……」


仕方なく目に留まったメニューを順番に口にしていくと、彼は意味深な笑みを浮かべながら店員を見た。


「じゃあ、今の全部で!」


「はぁ!?こんなに食べれないっつーの!」


慌てて冬夜を制するあたしに、彼が満面の笑みを見せた。


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