群青の月
「何なら、“愛してる”でもいいけど?」


悪戯な口調で発された言葉に、顔が熱くなる。


「いっ、意味わかんないんだけど!」


「ブッ……!ハハッ!!」


反射的に冬夜を睨みながら返すと、彼がお腹を抱えて笑い出した。


笑われた理由はわからなくても、恥ずかしさが込み上げる。


「な、何!?」


「お前、顔真っ赤……。そんなに照れなくてもいいだろ」


「……っ!?」


戸惑いながらも口を開いた時、冬夜があたしの頭を撫でてそれを制した。


「とりあえず風呂入って来る」


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