群青の月
翌朝、カーテンの隙間から射し込む光に導かれるように、ゆっくりと目を開けた。


その瞬間、瞳に当たった柔らかい光に眉を寄せる。


眩しさに目を細めた後、昨夜と変わらず俺の腕の中に収まる柚葉を見つめた。


まだスヤスヤと眠る彼女に自然と笑みが零れて、額にそっとキスを落とす。


こんなにも柔らかな朝を迎えられるようになったのは、柚葉が自分の意志で俺の傍にいてくれるから…。


今はまだ、それだけで充分だって思うのも本心なんだ……


俺は心の中で本音を呟いてから、余計な情欲が芽生える前にベッドから出た。


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