群青の月
◇Side‥柚葉
【Side‥柚葉】
冬夜のいない部屋はすごく静かで、何だか物足りなさを感じさせる。
これが“寂しい”って感情なんだって事に気付いたのは、少し前の事だった。
それでも、本当に“独り”になってしまった訳じゃない。
だから、孤独を感じたりはしなかった。
ただ、見送ったばかりの冬夜が早く帰って来て欲しいなんて、またガラにも無い事を思ってはいるけど…。
そんな自分に戸惑いながらも、最近ではすっかり苛立つ事は無くなっていて…
自分自身が抱いている冬夜への想いの大きさに呆れて、思わずため息混じりの笑みが零れてしまった――…。