群青の月
人間は、どこまでも欲張りな生き物だ…。


柚葉の心が手に入った時には、もう何もいらないと思える程の幸せを、確かに感じていた。


それなのに…


流れる時間に比例するかのように更に柚葉を求めるようになって、今度はこの不安を消せる程のものを欲してしまっている。


心も体も、全て俺のものに出来たらいいのにな……


一生閉じ込めておきたいと思ってしまうのは、柚葉の事が本当に大切だから…。


だけど…


独占欲を剥き出しにしてしまいそうな自分自身が恐くて、俺の心を支配する欲望をいつも必死に抑えていた――…。


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