群青の月
驚いたような顔で俺を見ている柚葉から、慌てて視線を逸らす。


「悪い……。嫌な言い方した……」


バツが悪くなりながらも謝ると、タバコを灰皿に押し付けている彼女の姿が視界の端に入った。


「……何か、機嫌悪い?」


「いや……」


気まずさを抱きながらポツリと呟いて、恐る恐る柚葉の顔を見る。


すると、彼女は眉を小さく寄せていた。


自業自得とは言え、居た堪れない気持ちになる。


「……じゃあ、何かあった?」


少し間を置いてから控えめに訊かれ、俺は目を大きく見開いた。


< 685 / 1,000 >

この作品をシェア

pagetop