群青の月
不思議そうな顔で俺を見つめる柚葉を、抱いた感情に従うように抱き締める。


「何……?」


そんな俺の行動に、彼女が僅かな戸惑いを見せる。


「本当に何でもないんだ……。変な言い方して悪かった」


「別に、あたしは……」


これ以上話すとまた余計な事を言ってしまいそうで、柚葉の言葉を遮るようにキスを落とした。


貪るように唇を食(ハ)み、何度も角度を変えてキスを繰り返す。


「……ッ!」


時折小さく漏れる柚葉の吐息に堪らなくなって、気が付くと舌を捩込(ネジコ)んでいた。


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