群青の月
理性なんて、もうほとんど残っていなかった。


欲張りになっていく自分自身に、以前から呆れてはいたけど…


こんなにも自分の内(ナカ)に欲が潜んでいたのかと改めて呆れ、そして驚かされてしまう。


「……ハ……ッ!」


極め付けは、柚葉が漏らした艶(ツヤ)っぽい吐息…。


唇を離すと潤んだ瞳を向けられて、妖艶(ヨウエン)な雰囲気が彼女を纏っている気さえした。


思わず、唾をゴクリと飲み込む。


体の中にこもった熱を感じながら柚葉の首筋に唇を這わせると、彼女の体がピクリと動いて反応を見せた。


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