群青の月
「“愛してる”なんて言葉であたしを言い包(クル)めたりしないで、汚いと思ってるなら“汚い”って言えばいいじゃん!」


「それは違う!俺はっ……!」


「あたしだって、自分の体が汚い事くらいわかってるのっ……!だから、今更アンタに何言われたって……」


「柚葉っ!!」


まくし立てるあたしに、今度は冬夜が声を荒げたから、思わず身が竦んでしまった。


だけど…


「頼むから、俺の話を聞いてくれよ……」


続けて苦しげにそう零されながら背中に回された腕が温かくて、強張った体の力がほんの少しだけ緩んだ。


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