群青の月
さっきまでは冷え切っていた体を抱き締められた事で、ゆっくりと温もりが戻って来る。


小さな子どもをあやすように背中を撫でられて、心が少しずつ落ち着いていった。


あたしの様子を窺うようにしていた冬夜が、あたしから体を離してからゆっくりと口を開いた。


「誤解だよ」


静かに零されたその言葉の意味が理解出来ないあたしに、彼は言葉を選ぶように目を細めて続ける。


「どうせお前は、自分の体が汚いから抱いて貰えない、とか思ってるんだろ?」


冬夜はそう言った後、眉を寄せながら悩ましげな笑みを見せた。


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