群青の月
「前にも言ったけど、俺は柚葉の事を汚いなんて思わない。その気持ちは、お前の過去を聞いた後も変わってないよ」


最後まで聞く前にまた泣いてしまいそうで、冬夜を見つめたまま唇を噛み締める。


鼻の奥に走った鋭い痛みに、益々唇を強く噛み締めた。


「でも、柚葉は俺が綺麗だって言ってもそう思えないって事をわかってるから、『俺はお前と一緒に汚れても構わない』って言ったよな?」


瞬きをしたあたしの反応を肯定と取ったのか、冬夜はまたあたしを抱き締めてから続けた。


「その気持ちも、今も変わってないよ」


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