群青の月
「恐かったんだ……」


「え……?」


何が……?


頭の中に浮かんだ疑問を口にする前に、冬夜があたしの頬にそっと触れた。


「上手く言えないけど……。柚葉を抱いたらめちゃくちゃにしてしまいそうで、それが恐くて堪らなかった……」


彼は、情けないと言わんばかりに自嘲気味に笑って、またため息を零した。


「俺はずっと、柚葉がセックスに対して嫌悪感を持ってると思ってたし……。そういう事に対して、すごく敏感なんだとも思ってた」


図星を突かれたあたしは、喉元にあった言葉を飲み込んでしまった。


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