群青の月
同じだったの……?


不安を感じた理由は違う。


だけど…


相手に拒絶される事を恐がっていたのは、あたしも冬夜も同じだったんだ…。


「さっき謝ったのも、もしかしたら柚葉に拒絶されるかもしれないって思って、咄嗟に口に出してただけなんだ……」


小さく言った彼は、少しだけバツの悪そうな顔をしている。


あんな出会い方だったあたし達は、最初から今まで何もかもが不器用だったのかもしれない。


そんな事を思ったあたしは、戸惑いを感じながらも冬夜の背中に腕を回し、初めて自分から彼を抱き締めた。


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