群青の月
何度目かわからないキスを交わした時には、もう理性なんて欠片も残っていなかったと思う。


柚葉の唇を食い尽くすように食み、ただ溢れ出す欲望に従うように彼女の体に触れていた。


指先から伝わる柚葉の体温が上昇していくのを感じて、俺自身の体も益々熱を帯びていく。


体が灼けるように熱くて堪らなかった。


「ヤバイな……。俺……お前の事、マジで壊しそうなんだけど……」


眉を寄せて掠れた声で呟くと、柚葉が潤んだ瞳で俺を見た。


そして数秒の沈黙の後、彼女は艶っぽさを含んだ表情のまま吐息を漏らし、ふと目を細めた。


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