群青の月
「もう、痛くないから……」


一瞬だけ指先の動きを止めた俺を、柚葉が気遣うように見つめていた。


心を痛めている彼女よりも、俺は傷付いた顔をしていたんだろうか…。


口を開けば余計な事を言ってしまいそうだったから、代わりに優しいキスを落とす。


それから、また律動を再開させた。


「……っ!本……当に、壊されっ、そ……なんっ、だ……けど……っ!」


吐息混じりで途切れ途切れに零した柚葉に今度は深いキスを与え、眉を寄せながら目を細めて微笑む。


「……例え壊れても、愛してるよ」


そして、彼女の耳元でそう囁いた――…。


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