群青の月
程なくして心が落ち着いた時、冬夜の腕の中に収まっている事に気付いた。


いつもと同じだけど、いつもとは違う事が何だかくすぐったくて、小さな笑みが零れる。


思わずフッと笑いを漏らすと、頬に優しい温もりを感じた。


「起きたか?」


「起きてたの……?」


驚いて質問に質問を返したあたしに、冬夜が眉を寄せて苦笑する。


「俺はずっと起きてたよ。柚葉を壊したんじゃないかと思って、心配だったからな……」


彼は本気とも冗談とも付かない口調で言った後、あたしをからかうように悪戯な笑みを浮かべた。


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