群青の月
◆Side‥冬夜
【Side‥冬夜】
11月に入ると急激に冷え込み、冬の気配を間近に感じるようになった。
「どこか行かないか?」
「え?」
「ほら、俺達ってあんまり出掛けたりしないだろ?だから、明日はどこか行かないかなって思ってさ」
ベッドの中で提案すると、柚葉が不思議そうな顔をした。
短期契約だった塾の講師のバイトは先週で終わり、今週は少しだけ余裕がある。
考えてみたら、柚葉とはデートらしいデートをした事が無い事に気付いて…
せっかく余裕があるんだから、たまにはそんな時間を作ろうって思ったんだ。