群青の月
「……で、柚葉はどう?行き先は、柚葉が行きたい所ならどこでもいいよ」


「いきなり、そんな事言われても……。行きたい所なんて別にないし……」


困ったように眉を寄せる柚葉に、思わず苦笑してしまった。


物欲が無いだけじゃなくて、滅多にワガママも言わない彼女。


恋人としては申し分が無いのかもしれないけど、俺としてはもう少しくらいは甘えて欲しいと思ってしまう。


「明日は柚葉も休みだろ?久しぶりに時間があるんだし、何もしないのは勿体ないじゃん」


そう言うと、柚葉が何かを思い付いたように笑った。


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