群青の月
「じゃあさ、あの河川敷に行きたい」


「……河川敷?」


「初めて会った日に行ったじゃん。アンタに拉致されて」


首を傾げた俺に、柚葉が少しだけ嫌味を込めたように笑う。


「あぁ……」


心当たりに頷いた後、バツが悪くなって苦笑した。


「思い出した?」


「あぁ。そういえば、最近行ってないな」


あの河川敷には、柚葉と出会う前までは2ヶ月に一回程度は行っていた。


だけど…


あれ以来、色々な事があってそれどころじゃなかったから、俺も一度も行っていなかった。


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