群青の月
◇Side‥柚葉
【Side‥柚葉】
「柚葉、昼は何が食いたい?」
「何でも……」
「何でもって事はないだろ?」
「本当に何でもいいよ」
「じゃあさ、出会った日みたいにファミレスにするか?あの日とは順序が逆になるけどさ」
ため息混じりに答えると、冬夜が一人で話を進めた。
朝の月を見る事が出来なくて少しだけ落ち込んでいるあたしを、さっきから彼が励まそうとしているんだ。
運転をしながら明るく話す冬夜を見ていると、出会った日の事を思い出す。
何だか落ち込んでいるのがバカらしくなって、あたしは小さく笑った。