群青の月
「……前にも見た事ある光景だね」


口元を押さえて気持ち悪そうにする冬夜を見て、あたしは呆れながらポツリと零した。


滅多に来ないファミレスでメニュー選びに困っていたあたしに、彼があの時と同じように好きなだけ注文をするように促したのは、1時間程前の事…。


そして…


案の定、あたしが残してしまった物も全て平らげた冬夜が、あの時と同じような顔になっていた。


「だから、あたしは『一つにする』って言ったのに……」


「……これでいいんだよ」


冬夜は苦しそうにしながら、咥えたタバコに火を点けた。


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