群青の月
その後、俺達は特に言葉を交わす事も無く、ただ無言のまま向かい合って座っているだけだった。


何度か話し掛けてみようかとも思ったけど、相変わらず窓の外に視線を送る柚葉を見ていると、声を掛ける事が出来なかった。


彼女は夜空を仰ぎながら、一体何を考えているんだろう…。


屋上でも、ここでも…


気が付けば夜空ばかり見つめている柚葉が、その心の中では何を思っているのか気になった。


いつの間にか、“柚葉”と言う人間に興味を抱くようになっていた俺は、とにかく彼女の事が気になって仕方なかったんだ。


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