群青の月
モヤモヤとした気持ちを抱えたあたしは、憂鬱な気分のままデモンストレーターのバイトを熟した。


夕方になってやっと苦痛な時間から解放された時には、無理に貼り付けていた笑顔のせいで顔中の筋肉が緊張している気がした。


「滝沢(タキザワ)さん、お疲れ様」


「あ、お疲れ様です」


今回のバイト先の大型スーパーの店長に声を掛けられ、引き攣る顔を誤魔化すように会釈をする。


「明日もよろしくね」


「はい……」


店長の言葉に更に憂鬱になるのを感じながらも、取り繕った笑みを浮かべて頷いた。


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