群青の月
真っ白だった頭の中が、少しずつ色を取り戻していく。


働かなかった思考もやっと動き始めた頃には、さっきまで感じていた苛立ちは消えてしまっていて…


代わりに芽生えたのは、どうしようもない程の虚しさだった。


こんな奴のそんなつまらない理由の為に、俺が必死で積み上げて来たものを奪われたなんて…


あまりにも虚し過ぎる。


そして…


少し遅れて感じ始めたのは、言葉に出来ない程の悔しさと焦燥感…。


俺の心を取り巻く負の感情があまりにも大き過ぎて、自分ではどうする事も出来ない気がした。


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