群青の月
「……何だ、ずっと出て来ないのかと思ってたよ」


その言葉は、畑野が俺に気付いていた事を指していた。


「お前が出て来るのを、俺はずっと待ってたんだよ」


どこかバカにしたように俺を見る彼を、真っ直ぐ見据える。


「畑野……。俺の企画で出世したなら、もういいだろ?俺とお前は今後一切、無関係だ」


畑野の顔は悔しそうに歪められたけど、それ以上は何も言わずに背中を向けた。


その直後…


「俺とその子の関係を知ってるか!?」


どこか勝ち誇ったような声が、背中に鋭く届いた。


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