群青の月
◇Side‥柚葉
【Side‥柚葉】
体がガクガクと震える。
全身の血液が凍ったのかと思うくらい体温が下がっている事に気付いたのは、もうすっかり乗り慣れたエレベーターの中だった。
「大丈夫か?」
そんなあたしに掛けられたのは、労るような言葉。
俯いていたあたしは、冬夜の顔をまともに見る勇気が無くて、ほんの少しだけ視線を上げるだけで精一杯だった。
それなのに…
視界の端に入って来た冬夜は、すごく心配そうにあたしを見つめている。
罪悪感と不安のせいでその優しさがどうしようもなくつらくて、胸の奥がズキズキと痛んだ。