群青の月
「なっ!いいだろ?」


笑顔のままの冬夜が、楽しそうな口調で促した。


いくら真夜中のファミレスとは言え、きっとその気になれば大声を出して周りの人に助けを求めたり、逃げ出す事も出来たとは思う。


だけど、今更逃げ出したりするのも面倒臭くて…


また大きなため息を零したあたしは、後で絶対に冬夜から三万円をふんだくる事を決めて、小さく頷いた。


「二度目の交渉成立だな!」


彼はニコッと笑うと、あたしの手を離して会計を済ませた。


そして、そのまま二人でファミレスを後にした。


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