群青の月
「あのままだったら、動きそうになかったからな……。今日は俺が洗ってやるよ」


何事も無かったかのような口調に言葉を失って、ただただ目を見開いてしまう。


どうして、普通に出来るの……?


冬夜は、彼の気持ちを理解出来ずにいるあたしに構わずに、性急にスーツを脱ぎ捨てていく。


そして今度は、まるで担ぐように片手であたしを抱いて、バスルームに入った。


思考が付いていかないあたしの体を抱いたままの冬夜が、シャワーを出してお互いの体にお湯を掛ける。


その直後に湯舟に入れられて、彼はそこでやっとあたしを下ろした。


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