群青の月
「……あいつには色々奪われたし、“憎んでる”なんて言葉じゃ足りないくらいの憎しみを抱いてる」


悔しげに吐き出されたのは、冬夜の素直な気持ちだって事が伝わって来る。


「きっと、一生許す事も出来ない……」


それでも、こんな自分(アタシ)に真っ直ぐ向き合おうとしてくれている彼に、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。


「あんな奴を友達だなんて思ってた自分にも、すっげぇ腹が立つよ……」


胸の奥が抉られたように痛くて、息が苦しくなっていく。


あたしは、喉の奥から込み上げる熱を堪える事しか出来なかった。


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