群青の月
「柚葉の過去はちゃんとお前自身から聞いたし、俺はそれを受け入れるって決めたんだ」


こんな愚かなあたしに差し出されたのは、優しい優しい言葉。


「その気持ちは、もちろん今も変わってない」


それは本当に嬉しくて幸せな事だけど、それ以上にすごくつらくて苦しい。


だけど…


「それに、過去を悔やんだってどうする事も出来ないんだ……。だけど、未来なら変えられるかもしれない」


冬夜はそんなあたしの苦しみすら受け止めるように、優しく微笑んだまま話を続けた。


「だから……どうせなら、これから先の事を考えよう」


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