群青の月
◆Side‥冬夜
【Side‥冬夜】
薄暗いベッドルームの中、ふと耳に入って来たのはザーッという水の音。
小降りだった雨がまた本降りに戻っている事に気付いたのは、すっかり肌を合わせ慣れたベッドで柚葉を抱いている時の事だった。
彼女が漏らす甘い吐息に、砂嵐のような雨音が混じる。
二人で同時に昇り詰めた直後から、その音は益々大きくなっていった。
「……雨、また本降りになってるな」
ポツリと呟いた俺を、柚葉が息を整えながら見上げて来る。
だけど…
柚葉はゆっくりと息を吐いた後、何も言わずに目を閉じてしまった。